機動戦士ガンダム 水星の魔女 / Mobile Suit Gundam: The Witch from Mercury / G Witch

機動戦士ガンダム 水星の魔女 / Mobile Suit Gundam: The Witch from Mercury / G Witch

『機動戦士ガンダム 水星の魔女』とは、サンライズ制作によるテレビアニメ。ガンダムシリーズに属するロボットアニメであり、『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』第2期以来5年ぶりとなるTBS系列毎日放送製作日曜午後5時枠の新作アニメとして、Season1が2022年10月2日から2023年1月8日まで、Season2が2023年4月9日から7月2日まで放送された。
女性主人公や学園を舞台とする点から放送前より注目を集めており、放送開始後は主人公が花婿として迎えられる展開が話題を呼び、放送のたびに劇中のセリフや単語がTwitter(X)のトレンドに上がるなどした。KADOKAWA『月刊ニュータイプ』が行なっている集計では、本放送期間中のツイート数が同時期放送のテレビアニメ作品の中で1位を記録している。
オープニングテーマ「祝福」を制作にするにあたり、シリーズ構成の大河内一楼により原作小説として『ゆりかごの星』が書き下ろされた。物語の舞台は本編開始前となっており、ガンダム・エアリアル視点で主人公の成長を綴っている。2023年1月号より『月刊ガンダムエース』にてSF考証担当の高島雄哉執筆のノベライズ作品が連載されたほか、同誌にて2023年5月号より東條チカ作画によるコミカライズ外伝も連載が開始された。

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機動戦士ガンダム 水星の魔女 / Mobile Suit Gundam: The Witch from Mercury / G Witch
7

これはガンダムではなく水星の魔女である

令和初のガンダムTVシリーズ、その記念すべき第一話は正直言って可もなく不可もなくといった印象だった。
主人公はシリーズでは珍しい10代の女の子。主人公機にあたるガンダムエアリアルも女性的なフォルムであり、登場キャラクターのデザインは柔らかいタッチで描かれている。
舞台は10代の少年少女達が生活する学園である。
これまでのシリーズと比べると特徴的に思えるかもしれないが、1話を視聴した限りでは10代の若者を中心とするありふれたSFアニメ、といった枠を超えるものではなかった。もっと言えば、これは「ガンダム」である必要があったのかと思うほどである。
しかし、2話3話と続くにつれてゆっくりと、しかし確実に引き込まれていく。
一番の理由は、主人公スレッタ・マーキュリーである。
彼女は遠く離れた辺境の地である水星からの来訪者だ。性格は純粋無垢で、まさに田舎から都会に出てきた女の子といった感じである。しかし、そんな彼女の出自および真の目的ははっきりしていない。加えて、タイトルにもなっている「水星」また「ガンダム」があの世界ではどのような意味を持つのかも明らかにされていない。
何かの大きな事件、戦争が過去の歴史にあった事は随所から推測出来るが、そこの謎解き要素がこの作品の魅力である。6話までにガンダムお約束の「敵」が全く現れていないのも不気味だ。ここまでは若者たちのほほえましい青春劇が続いているが、その水面下には何か得体のしれないものを感じてしまう。
1年にわたるシリーズということを考えると今後の展開が全く読めず、それだけに様々な憶測が出来てしまうために次の話が待ち遠しくなる作品の1つである。