すべての登場人物を応援したくなる映画
青春とは若者だけのものではない。
いくつになっても夢中になれるものはある。
年を重ね、自分はもう何かにときめくことはない、と思っている人にもそれは突然訪れる。
夢中になれるものに出会い、世界が広がり、思ってもみない人とのつながりができる。
そんな世界の中で、子供も大人もみんな悩みを抱えている。
学校生活に馴染めず、周りと自分をくらべて落ち込む、そろそろ人生の終わりが見えてきた日々、このままでいいのだろうか…。
大きなものから小さなものまで、それぞれの中にある。
努力は必ず報われる、などという薄っぺらい言葉は正直聞き飽きたが、悩んで苦しんでもがきながらも壁を乗り越えた人にだけ見える景色がある。
そして、その景色を隣で一緒に見てくれる人がいる。
芦田愛菜さん演じる佐山うららと宮本信子さん演じる市野井雪の間に生まれる女の友情がとてもまぶしく羨ましい。
女の友情も決して悪いものではない、と思わせてくれる。
女子高生もおばあちゃんも年齢も肩書きも関係なく彼女たちが悩み苦しみ、そして壁を乗り越えようとする姿を見て心から応援したくなり、さらに自分も小さな一歩を踏み出してみようと思わせてくれる、そんな希望に満ちた映画です。