【落語】あかね噺の魅力
2022年の11号から週刊連載している「あかね噺」。
あらすじとしては、主人公である桜咲朱音が落語家の真打を目指す物語。
「落語」というテーマで週刊連載を続けられるのかと思われるが、読めばその考えが変わるほどのおもしろさが感じられた。
私が思う面白さの1つとして、話のテンポの柔軟さがある。
バトルやスポーツマンガは、展開が早く、読者の熱を冷まさないようにテンポが速い印象がある。
対してこの作品では、落語の話す内容によってテンポが変わってくる。
「寿限無」という演目では、名前の長さを早く読み上げることでテンポを速く感じさせ、「芝浜」という演目では、人情話というのもあり、ゆったりとしたテンポを感じさせる。
加えて、落語家によってもテンポが変わっていく。
ただ単に話すのではなく、声色や視線、指の動き用いることで話に膨らみを持たせていく。何より面白いのが、このテンポの柔軟さは、座布団1枚のうえで繰り広げられていることだ。
演目を現代風にアレンジをすることで落語は、古いイメージという、とっつきにくさも感じさせなかった。
話のオチも良く次回の話も期待させるような物語の運び方、出てくるキャラクターの個性がよりストーリーに華を持たせる。