しっとりとした感動がある「夏目友人帳」
友人帳に書いてある名前を、妖怪たちに返していくという物語。
幼少期に両親を亡くし、親戚の家をたらいまわしにされた主人公が自分になかなか「幸せ」を許せないところが、とても現実味があり、何か考えさせられるような感じがします。
良い友達や優しい里親に恵まれながらも、どこか自分には幸せを手に入れられないと思い込んでいるところ、でも、幸せになりたいと強く願う気持ち。その葛藤が真実味があって、共感させられます。それと同時に、普通の人間には見えない妖怪たちとのふれあいが、とても面白いです。
妖怪たちの問題を解決したり、妖怪たちの心の傷を一緒に癒すことで、自分も癒されていく。そんな体験をしながら、友情や愛情を学んでいく主人公は、どこか、現代の多くの人たちが抱えている寂しさのようなものを見ているようで、涙が出ることもあります。
絵も好きです。なんといっても、妖怪たちがとても魅力的に描かれています。「にゃんこ先生」は、普段はぽっちゃりと愛らしく、どこか憎らしく、でも、いざとなるとかっこいい! ファンがたくさんいるのもうなずけます。思わず、にゃんこ先生のキャラクターを発見すると買ってしまいます♪ しっとりと、どこか感動して見てしまうマンガです。