Around 15th Anniversaryは終わらないッ!2022年はメジャーデビューから18年目だ!
Sound Horizonとは物語音楽の先駆けであり最高峰です。しかし物語音楽というジャンルを知らない人からしてみれば全く想像がつかないであろうと思われます。強い物語性のある歌詞、随所に挿入される語り、ふんだんに使用されるSE、それらをまとめ上げ曲として仕上げる手腕。何より耳に残るメロディ。それらを以て「最高:自信を持ってオススメ」という評価にしましたが、まず物語音楽が刺さらない人には全くもって良さを見出せないこともあるでしょう。なので今回はあくまでSound Horizonもしくはタイアップ向け名義Linked Horizonに少しでも触れたことのある方に向けて書きたいです。もしこの記事で初めてアーティスト名を見かけたという方がいれば一曲でいいので聴いてみてください。各種音楽ストリーミングサービスで配信中です。
まずSound Horizonとは何者かという話ですが、主宰Revoが作詞・作曲・編曲を手掛けるアーティストです。作品ごとにRevoが作品に合う歌手や演奏家や声優を集め、CDで曲を発表しコンサートを行います。7.5th or 8.5th Story 『絵馬に願ひを!』(Prologue Edition)ではBlu-rayとスマートフォンアプリでの楽曲展開がされました。曲調だけで言うならば邦楽ロックといったところです。ただ邦楽ロックというジャンルだと思って聴くと「何かが違う」となること請け合いです。極端なことを言えばSound HorizonとはSound Horizonという唯一無二のジャンルと言えるからです。
百聞は一見に如かず、千聞とてまた然り。まずは楽曲を聴いてください。Sound Horizonは1枚のCDに世界観が詰まっています。今回はその世界観の一端である《似て非なる人々》という登場人物にスポットを当てたいです。《似て非なる人々》は主宰Revo――いえ、Sound Horizon Kingdom国王Revo一世陛下にとってもよく似ている登場人物です。作品ごとに存在し、ライブ限定バージョンも存在しています。
また、私見から解説を述べますがSound Horizonとは各々の心の中にあります。故に解釈も受け取った人の数だけ存在します。この記事が「正解」ではなく解釈の一助となることを願います。
まずは《似て非なる人々》初登場作品5th Story CD『Roman』からイヴェール。彼は生まれてくる前に死んでしまった者です。コンサートの演出から彼にはもう会えないと思われており、後々のライブやコンサートでチラッと出てくるとイヴェールを推しているファンが号泣して崩れ落ちる姿を目にすることもあります。総じてファン人気は高めです。歌唱力はまだ違和感があった時代ですがそれもまた持ち味。
続いての《似て非なる人々》はStory Maxi 『聖戦のイベリア』に登場する焔の悪魔・シャイタン。サンホラ界屈指のリア充です。彼は悪魔であり、残酷ナ『永遠』トイウ時を生きる存在です。封印されていましたが、ライラという少女が封印を偶然解くことになり彼女と共に生きることになります。《似て非なる人々》は会えなくなる者、落命する者、土に還る者、生死不明の者がいますがシャイタンはライラと共に生きているのです。安心感があります。歌唱力はちょっと上がりました。デュエットがメインであることも大きいでしょう。
続いての《似て非なる人々》は6th Story CD 『Moira』に登場するΘ(タナトス)とエレフ。Θ(タナトス)は冥王です。エレフはその半身といえる存在です。エレフが過酷な運命(Moira)に翻弄されるのがこのCDの一貫した流れでしょうか。決してそれだけではないのですが、その部分を語ると長くなるので割愛。是非とも聴いてみて自分だけの感想を獲得して欲しいです。作品から受けるエレフのイメージでライブに臨んだ際に彼が「おーいカモメさーん」などと言いファンを翻弄したのはかなり困惑……いや、面白かったです。歌唱力は明確に上がりました。語りは向上の余地あるかと思います。
続いての《似て非なる人々》はPrologue Maxi 『イドへ至る森へ至るイド』及び7th Story CD『M?rchen』に登場する、メルヒェン・フォン・フリードホフです。今作に関わりあるもうひとりの《似て非なる人々》イドルフリート・エーレンベルクについては公式情報が少ないため割愛。井戸に落ちた少年メルツと、井戸の底にいた《イド》が合わさったものだと思われます。筆者としては一番思い入れの深い《似て非なる人々》です。歌唱力は安定してきました。語りも上々です。
続いての《似て非なる人々》はStory Maxi 『ハロウィンと夜の物語』に登場するシェイマス・リバモア……と思われる人物。本人が「シェイマスだか…ウィリアムだか…」といった具合なのでもしかしたらウィリアム・リバモアなのかもしれないです。あるいはハロウィンに彷徨っている幽霊。筆者が把握している限りではファンの中でハロウィン・ナイト、略してハロナイさんとも呼ばれています。総じて「結局…人生なんてロクなもんじゃ」なかった人。何かに絶望した時についつい口ずさみたくなります。歌唱力は安定していますが《愛しい人よ》の絶叫にビビった人も多いことでしょう。
続いての《似て非なる人々》はAnniversary Maxi『 いずれ滅びゆく星の煌めき(ヴァニシング・スターライト)』及び9th Story CD『Nein』に登場するNo?l。謎の音楽プロデューサーRevoPはRevoです。No?lは似て非なる地平(つまりパラレルワールド)の現代日本に住むロックミュージシャン。現在生死不明のため公式の動向でファンは一喜一憂しています。「生きているなら燃えてやれッ!」歌唱力は安定しています。
続いての《似て非なる人々》は7.5th or 8.5th Story BD『絵馬に願ひを!』(Prologue Edition)に登場する神社関係者。名前は現在のところ不明。狼欒神社の神主ではないかとされていますが、こちらも詳細不明。2023年3月15日発売の7.5th or 8.5th Story BD『絵馬に願ひを!』(Full Edition)にて詳細が明らかになる、かもしれないです。面を付けているので人相も不明ですが、髪型はイヴェールやNo?lに似ています……が果たして。歌唱や語りなどは全般的に胡散臭いです。
ちなみに『絵馬に願ひを!』の世界には狼欒神社という神社が登場しますが、ここで祀られているのは狼欒神群という神々です。狼欒とはLaurant(ローラン)(サンホラのファンネームのひとつ)、つまり我々が神になってしまったのです!『絵馬に願ひを!』(Full Edition)では、どのような物語を提示されるのでしょうか。新作が楽しみですね。