HUNTER×HUNTER / ハンター×ハンター / H×H

『HUNTER×HUNTER』(ハンターハンター)とは、冨樫義博による日本の少年漫画作品。
『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて1998年14号より連載されている。
主人公のゴン・フリークスが父親を捜すためにハンターになり、仲間とともに様々な冒険をする物語。主人公の成長、仲間との友情といったテーマがある反面、少年漫画らしからぬ残虐な描写も多く、ダークな世界観が特徴。綿密に練られた設定や伏線が人気を博している。
また休載が非常に多く、連載が再開されるたびにニュースになることがある。
テレビアニメ第1作が1999年10月16日から2001年3月31日まで日本アニメーションの制作によってフジテレビ系で放送された。第2作が2011年10月2日から2014年9月23日までマッドハウスの制作によって日本テレビ系で放送されたがこれは第1作の続編ではなく、スタッフとキャストを一新し、話は最初からリメイクされたものである。

ikro05のレビュー・評価・感想

HUNTER×HUNTER / ハンター×ハンター / H×H
10

面白すぎ。単なるバトル漫画ではない!

『週間少年ジャンプ』で冨樫義博氏によって描かれた、少年漫画『HUNTER×HUNTER』。主人公のゴンがプロハンターを目指して仲間と共に戦いながら成長していくストーリーで、まさに王道の少年漫画。ですがその面白さは他のバトル漫画とは全くの別物です。

この漫画は休載が多いことで有名ですが、SNSでは「冨樫仕事しろ」と言われる人気ぶり。こんな漫画は他にはあり得ません。『少年ジャンプ』で年単位の休載などしようものなら、普通に面白い漫画レベルでは2度と連載開始などできません。それどころか「早く読ませろ」と言われ連載再開を熱望されている漫画は、他にはないでしょう。

『HUNTER×HUNTER』がこれほど愛される理由は山ほどありますが、今回は3つにしぼってご紹介します。

1「念(ねん)」
この漫画では「念」が特殊能力として使われます。
「念」は人間が本来持っている「オーラ(生命エネルギー)」をコントロールして技を繰り出すというもの。念の属性は6種類あり、どの能力が使えるかは本人が生まれ持った属性に左右されます。属性には自分の力や物の動きを強くする「強化系」や、オーラを飛ばす「放出系」、物や人を操る「操作系」などがあり、少年漫画に必須の「ド派手さ」と大人がハマる「深さ」を併せ持っていることが人気の秘訣と言えるでしょう。
またストーリーの進行においても最重要テーマであり、この「念」を中心に話が進んでいきます。

2「キャラクター」
敵や味方、脇役関係なく登場するキャラクターが持っているバックボーンや設定が細かく、ストーリーがケタ違いに深いです。
それぞれの思惑や関係性などが複雑に絡み合いながらストーリーが展開されていきます。またその時の心情の細やかな描写から感じ取れる、リアルな「人」感に感情移入してしまいます。
一方で、重要なキャラクターが平気で倒れたり再起不能になったりするのもこの漫画の特徴。キャラクターを登場させてから壊すまでの時間の掛け方が絶妙で、ある程度大事に育ててから壊すあたりが冨樫先生の性格の悪さです(褒めてます笑)。

3「ストーリー」
言わずと知れたストーリーの深さ、伏線の多さ。本当に面白いのは2周目以降だと思っています。
各キャラの詳細な設定から来るストーリーの深さ、表情や言葉ひとつの意味、1コマの「間」に現れる意味など…。漫画の中では言葉で全て語られるわけでもなく、読者自身に意味を考えさせるような描写の仕方は天才的と言わざるを得ません。
また、テーマが多岐にわたることも特徴のひとつです。
ゴンとキルアの「少年たちの成長」、ゾルディック家の「歪んだ家族愛」、会長選挙や王位継承戦での「政治的な知略戦」。全体を通して見られるのは「正義と悪の表裏一体」です。少し前まで敵だったキャラクター目線でストーリーが進むこともよくあります。完全悪は存在せず、それぞれが自分の正義のために精一杯戦っているということが、この漫画の最重要テーマのひとつです。

以上、『HUNTER×HUNTER』のレビューでした。王道のバトル系少年漫画でありながら、ただのバトル漫画とは違った深みや面白さを持つ、トップクラスに面白い漫画と言えるでしょう!ぜひ一度読んでみることをおすすめします。