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ギャグとシリアスの狭間を描くハイテンションギャグ漫画
ハイテンションでテンポの良いギャグマンガが好きな方におすすめできる作品です。
タイトルの名に恥じない驚異のひ弱さを誇る恐るべき吸血鬼・ドラルクと、顔は良いのに中身は5歳児ゴリラの吸血鬼退治人・ロナルドを中心に新横浜で起こるドタバタ珍事件の数々が描かれているのですが、とにかくキャラクターのインパクトが濃いです!
凄まじい威力の催眠術を、人々に猥談をさせることにしか使わない吸血鬼・Y談おじさんや、優秀なエリート警察でありながらロナルドに嫌がらせをすることに全力を注ぐダンピール(人間と吸血鬼のハーフ)・半田桃など、吸血鬼という耽美なイメージからはかけ離れたキャラクターばかりが次々と出てきます。
そして彼らの間で飛び交う個性豊かな罵詈雑言とボケツッコミの数々。個人的にどんどん口が悪くなっていくドラルクが好きです。
しかしそんな楽しいギャグの裏側には、かつての人間と吸血鬼の確執や得体のしれない『なにか』などシリアスな空気も漂っています。そのギャップに気づいた時、きっともっとこの作品のことが好きになるでしょう。
ちなみに作者である盆ノ木至先生のTwitterでは頻繁にキャラクターたちがアカウントを乗っ取って、裏話や裏設定じみた内容が語られたりするのでそちらの方も楽しんでいただけるとさらに面白くなると思います。