アオアシ

アオアシ

『アオアシ』とは、2015年より小林有吾が『週刊ビックコミックスピリッツ』にて連載開始されている漫画、および原作としたアニメ作品。Jリーグのユースチームに所属している高校生を題材としている。主人公は愛媛県の中学校でサッカーをしていた青井葦人。元プロサッカー選手の福田に認められ、Jリーグユースの門をたたく。プロになることにフォーカスしたユースチームでの生活、チームメイトとの価値観の違い、青春を描いている。主人公のポジションがサイドバックとなっており、攻撃のみならず守備面の描写も多い。

yuyu87d1のレビュー・評価・感想

アオアシ
10

――人間は考える葦である こんな言葉が出てくるサッカー漫画、他にない!

・アオアシってどんな漫画?
アオアシは、愛媛の田舎で自分のことを「天才フォワード」と思って過ごしていた主人公アシトが、東京でJユース(エスペリオン)の監督をする福田達也に声をかけられ、プロ、世界を目指していくというサッカー漫画です。まず、この漫画は舞台となるのが高校サッカーでもなく、プロでもなく、JユースというJリーグの第二種(男子高校生世代)なことに驚きました。他にいくつかサッカー漫画は読んできましたが、この作品を読むまであまり馴染みはありませんでした。アオアシを読み、サッカーに詳しくない私でものめりこみ、「考える」ことと「情熱」を感じながら読める、そんな作品です。

・他の漫画とここが違う!
作中において、サッカーを見ている人じゃないと分からないような単語がいくつか出てきます。実際、私も最初はわかりませんでした。実在するチーム名とその戦術、言語化、トライアングル、5レーン、ポゼッション、コーチング等々、いろんな用語が出てきます。ここが違う、というポイントはアシトが何もわからない状態から少しずつそれを学び、もがきながら身につけてゆくところを一緒に感じられるのが、これまでになく面白いです!驚くべき吸収力を持つアシトは、練習中や試合中に学び、身につけ、実行してそれが成果をあげていくという展開は本当に興奮します!

・考える葦の「アシ」と、ボールを蹴る「アシ」
これまでサッカーについてはキックの正確さやドリブルの速さ、派手なゴールなどの印象が先行していましたが、それはまったく見当違いな印象でした。その場の判断力がなければ次のボールの動きを止めてしまう。戦術を理解していなければチームとして対応ができなくなってしまう。そしてその多くの思考と判断を実現するフィジカルとテクニックがないと活躍することは出来ない。とにかく考えながらフィールドで動きつづけることと順応していくことの難しさについて身をもって体感しているアシトをはじめとした登場人物へは尊敬しかありません。本当にすごい…。

サッカーが好きでもそうでなくても、情熱のこもった作品に触れることできっと考えが変わるに違いないです。そんな作品です。