非常に深い内容で面白い作品です。
※ネタバレの内容をかなり含みますので、物語の内容を知らない方は、アニメや漫画を見てからこちらを読んで頂く事をおすすめします。
『鋼の錬金術師』のアニメを視聴した感想は、錬金術の“等価交換”の理論が私たちの日常にも当てはまるので、話の内容が理解、納得しやすいなと感じました。
“等価交換”とは、何かを得るためには、同等の対価が必要という理論です。
例えば錬金術では、ラジオが壊れた時、同じ大きさのラジオしか作れないという事です(リオールでのエピソード)。私たちの日常でも、努力をした量だけ結果が出るという事が、“等価交換”に似ていると思いました。
例えばアルバイトで働いた分だけ時給が貰える。勉強した量によって、資格試験や学科試験の結果が得られるという事です。
また、旧作版のアニメでは、”等価交換”について、努力しても結果が得られない事があるという表現がありました。私たちの現実も、努力しても結果が得られない事があります。
例えば、音楽技術を上げてもバンドとしてメジャーデビュー出来ない。面接で働きたい企業に不採用になる。勉強しても司法試験で不合格になる等です。(分かりやすく極端な例にしました)
私たちの日常では、”等価交換”の様に努力が報われる事もあれば、努力しても結果が得られない事があります。
だからこそ人生に深みが出てくると思いますし、その事を”等価交換”の理論を用いて表現した『鋼の錬金術師』は旧作・新作ともに非常に面白いと思いました。
死者を蘇らせる事は出来ないという事も、現実味があり、深い話であると思いました。旧作版で出てきたスロウス(ジュリエット・ダグラス)は、エルリック兄弟が人体錬成を行い、失敗した物から生まれたホムンクルスです。
私たちの日常にも感じられる”等価交換”の法則を軸にストーリーが考えられており、深く考えさせられる作品で、非常におすすめです。