時代が変わっても色褪せない!オシャレと恋愛の教科書
少女漫画にありがちな、「顔は普通なのになぜか異性の人気を集めてしまう、天真爛漫でちょっと天然な主人公には感情移入しにくい!」という人も多いのではないでしょうか。
本作の主人公・実果子は嫉妬深くて意地っ張りで、つり眉で、友人にも異性にもつい余計な一言を放ってしまって自己嫌悪に陥る…。そんな、誰しもが思春期に経験した失敗を詰め込んでしまったような不器用なキャラクター。
でも、ファッションデザイナーになるという夢を追いかけて一生懸命に奔走する、そんな姿が健気で可愛らしく思えて、思わず応援したくなります。
登場人物一人一人は、「こんな10代いる?!」と突っ込みたくなるほど個性的なキャラクターばかりですが、リアリティのある心理描写はさすが矢沢作品。
恋愛の綺麗な部分だけではなく、ジレンマに悩まされる瞬間が丁寧に切り取られ、テンポよく展開されていきます。
自分の気持ちをうまく伝えられない。彼女のいる人を好きになってしまった。恋人がいるのに不安な気持ちから他の人に甘えてしまう。恋愛と夢とを天秤にかけなければいけない…など、「恋愛あるある」のシチュエーションが盛り沢山。
そして、どんどん可愛く格好良くなっていくキャラクターたちが本当に愛おしく思えるからこそ、その想いがぶつかる場面では胸がぎゅっと締め付けられるような気持ちになります。
恋愛を夢見る少女にも、まさに恋愛中のあなたにも、恋愛を引退した大人の方にもおすすめできる作品です。