頭文字D / イニシャルD / Initial D / イニD

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『頭文字D』とは1995年~2013年まで、しげの秀一が『週刊ヤングマガジン』で連載していた漫画およびそれらを原作としたアニメ作品である。実在する日本の峠を舞台にし、自動車を高速で走行させて峠を攻める事を目的とする「走り屋」達の物語を描いた作品である。トヨタスプリンタートレノ(ハチロク)のドライバー藤原拓海が卓越したドライビングテクニックを駆使して数多くの走り屋とのバトルを繰り広げる様を描く。

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頭文字D / イニシャルD / Initial D / イニD
8

公道最速を目指す若き天才たちの青春カーバトル、『頭文字D』

この物語は、天然ボケ主人公・藤原拓海がクールなイケメンリーダー・高橋涼介に導かれ、最速を目指してカーバトルを繰り広げる漫画です。
迫力のあるバトルシーンが売りの漫画で、ハイパワーの車をテクニックで倒していく姿が絶賛されました。ハチロクという古いトヨタの車を操り、最新のモンスターマシンをなぎ倒すのです。
最もすばらしいのは、車を滑らしながらコーナーを攻めるシーンでしょう。ガードレールをこするように車が横滑りする姿は大迫力です。
しかし、意外にファンの評価が高いのは、若者たちの成長物語です。20代前後の青年たちが、競い合い、ぶつかり合う姿がリアルに描かれています。
藤原拓海は、運転技術だけをたたきこまれ、運転の楽しさを知らないドライバーでした。なぜか、バトルに巻きこまれ、仲間に喜ばれることで運転の楽しさを感じていきます。
ライバルの高橋啓介は、熱くなりやすく才能任せのドライバーでした。彼は、挫折からはい上がることで、闘争心と冷静さを両立させることを覚えていきます。
天然と天才が競い合うことで、互いに成長しあう姿が全体を通して描かれています。
バトルの合間に、それぞれの恋愛模様や信念が描かれているのも、ストーリーに厚みを与えています。
作者のしげの秀一先生は、リアリティがある実力者を描くことを得意としています。プロのレーサーが試したくなるほどの訓練内容が描かれているくらいです。リアルな登場人物の心情をカッコいい言葉で表現した場面は、名言として有名になりました。
全力を振り絞る姿のかっこよさ、ギリギリの勝負に挑む緊張感、何度も読み返したくなること間違いありません。