『鋼の錬金術師』(ハガレン)が世界で愛される理由3選
こんにちは。今回は、漫画家の荒川弘先生原作の漫画『鋼の錬金術師』が読んでみたくなる!
そんな漫画レビューを書いていきたいと思います。
アニメ『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』完結から、アプリゲーム『鋼の錬金術師 MOBILE』リリースまで、筆者はかれこれ10年以上ずっと、この作品の虜です。
今回はそんな私による所謂“布教”を、この記事の中で行わせて下さい。
もちろん、私と同じように既に『ハガレン』のファンだ、なんて方も大歓迎です。
熱量をもってご紹介するので、きっと頷きながら共感して、そしてきっと作品を読み返したくなるはず。
前置きが長くなりましたが、早速具体的なレビューに行ってみましょう。
魅力その1 “無駄のない構成”
原作の荒川先生は、漫画を制作する際にまずネーム(漫画のコマ割りや、キャラクターの配置などを大まかに決める作業)からではなく、アニメ制作のように絵コンテ(映像作品を制作する際に、キャラクターなどの配置や動き、カメラの位置などを絵にかいたもの)の制作から始めるんだとか。
それによって、必要な要素が取捨選択されたものが、最終的に作品として昇華されています。
個人的にこれが「ハガレン」最大の魅力のひとつであるとも思うのですが、このおかげでとにかく「わかりやすい」。
ダークで複雑な世界観だけど、全部スッと頭に入ってくる。
言語や文化の垣根を越えて人気な理由が、このあたりにあるのではないでしょうか。
魅力その2 “かっこよすぎる主人公像”
「ハガレン」の主人公、エドワード・エルリックの主人公像も魅力の一つです。
物語のはじめ、エドワードはある出来事をきっかけに右手と左足、そして弟のアルフォンスは肉体すべてをある場所に「持っていかれ」てしまいます。
それを取り戻すための旅路の中で、兄弟は多くの人々で出会い、助力を受けたり、時には戦闘に発展したり。
その中で、何度か「元の体に戻る」ための直接的な提案を投げかけられることも。
しかし主人公エドワードは尽くこれらを拒否。「自分たちの行ったことは自分たちの力で決着をつける」のだ、というスタンスで旅を続行します。
ただエドワードはその中にも、「でもありがとう」なんて感謝の言葉を忘れません。
これは最終巻の荒川先生のコメントとして書かれていたものなのですが、「ハガレンの登場人物のセリフには極力“挨拶”の言葉を入れるように意識した」のだそうです。
そんな荒川先生の誠実な人間性が、エドワードの言動に反映されているのでしょうね。
人の善意にきちんと感謝して、自分が納得いく道を探し続ける姿がとにかくかっこいい。
そのまっすぐな姿勢は国籍や性別、年齢の壁を越えて人々を魅了しています。
魅力その3 “これ以上ないほど綺麗に「完結」する”
巷には星の数ほどのコンテンツがありますね。
漫画、アニメ、映画に小説…人気が出るとシリーズ化したり、はたまた蛇足では?とも思えるような続編の制作が行われて、原作ファンが「そうじゃない!」なんて嘆く…そんな構図もよく見かけます。
そんな中でも『ハガレン』は、この上無く綺麗に、完膚なき「完結」に辿り着いた作品の一つであると、筆者は考えます。
作品内の伏線や謎、登場する全てのキャラクターの葛藤、etc…『ハガレン』において、その全てが「完璧に描写され切る」のです。
これも、『ハガレン』の特徴、あるいは人気の理由のひとつだと筆者は考えます。
もう、とにかく気持ちがいい。この作品を読み切った時の、物語を追い終えた時のあの爽快感を、少なくとも筆者は、他の作品で味わうことが出来ていません。
勉強不足ももちろんあるのでしょうが、それでも本当に、『ハガレン』の完結の仕方は他の作品に追随を許さない完璧さがあります。
どうかこのレビューを読んで下さった貴方が、そんな素敵な完結を見届けて下さることを、筆者は切に願ってみます。
長くなってしまいました。これでも伝えたいことを出来る限り削ってみたのですが、いけませんね。
正直、『ハガレン』の魅力をひとつの記事の中で紹介しきるのは本当に難しい。
それでも、今回私のまとめた魅力3選、
1.無駄のない構成
2.かっこよすぎる主人公像
3.完膚なきまでに綺麗な「完結」
この3つを、どうか貴方の目で確かめてほしい。切にそう思います。
面白い漫画を探している、感動したい、現実は退屈で、久しぶりになにか胸や目頭が熱くなる体験がしたい。
そんな方に全力でおすすめしたい漫画が、荒川弘先生の『鋼の錬金術師』です。
ここまでお付き合い頂き、誠にありがとうございました。