Aqua Timezの楽曲はなぜ心に響くのか
Aqua Timezの楽曲を聴いていて思うのは、我々が感じる「孤独」や「不安」といった弱い部分に、勇気を与えてくれます。
その表現はずっと使われてきた古臭い表現のようですが、音楽はいつでも等身大で、ありのままでいいと言っているように思います。
ボーカルの太志が作詞作曲をするにあたって重要視しているテーマに「ひとりぼっち」や「孤独」を挙げています。
歌詞で描かれるのは、孤独や哀しみを知っているからこそ、その想いを込めているからこそ、その等身大の愛を歌うことができるのだと思います。
「人は風に悲しみを隠した 辛い時ほど笑おうとする 哀しいくらい前向きな動物」
ある歌詞の中でも表現されていますが、人間がこういう動物だからこそ、このAqua Timezの楽曲は愛されているのです。
実際に歌詞を書いている太志が、言葉の頼りなさを知りながらも彼自身が音楽に救われ、その言葉の力で立ち上がったからこそ、言葉は人を立ち上がらせると知っているのです。
弱さや涙は、人間らしい大切な部分だと教えてくれました。
優しさは悲しみを知っているからこそ滲み出るもので、恐れず悲しむのが人間で、どんなに強い人でも「絶望」と「希望」を繰り返して生きているのだと伝えています。
弱さを抱えていても、涙を流しても、人を好きになっても、不格好でも、泥まみれでも、なんとか立ち上がって前に進めばいいんだと、精一杯の勇気を与えるミュージシャンです。
彼らは2018年に解散し、5人のメンバーは散り散りになってしまいました。
それぞれ音楽活動は続けているようですが、Aqua Timezとしての楽曲は消えることなく残り続け、誰もが抱える「孤独」や「不安」に勇気を与え続けていくと信じています。