トム・クルーズの素晴らしさに酔いしれる131分
「トップガン マーヴェリック」、前作から36年を経て待ちに待った本作が公開され、日本でも観客動員は衰えず、興行収益が100億円を突破したと話題になりました。
本作の魅力はなんといってもトム・クルーズの存在感です。
前作で20代の自信満々な米海軍パイロットを演じていた彼が、そのまま30数年を経て、まるでずっとその間"マーヴェリック"でい続けたかのような錯覚をおこしてしまうほど、彼は軍人として、そしてパイロットとしてナチュラルなたたずまいを見せていました。
そしてそんな彼を取り巻く周囲も年齢を重ねて登場します。
盟友として、僚機として固い絆で結ばれた”アイスマン”ことトム・カザンスキー(バル・キルマー)は海軍内で出世を重ねて艦隊司令官となり、マーヴェリックを陰で助け、そしてかつてのバディであった”グース”の忘れ形見であるブラッドリー少年が成長して”ルースター”のコールサインを持つパイロットとしてマーヴェリックの前に現れるのです。
そんな過去からのしがらみと、目前に迫ったミッションへの取り組みが入り交じり、マーヴェリックは求められたその操縦技術を余すところなく発揮するのですが、それはリアルに米海軍の協力のもとで実機を飛ばしてそのコクピットで撮影された映像を使用しており、今回の作品だけでフライトの映像が800時間を突破したのだとか。
その中から厳選された映像を編集して構成されているのですから、迫力は素晴らしく、またドラマ性も申し分ない仕上がりになっています。
過去作を知らない人でも十分に楽しめるエンタメ性があり、過去作がお好きだった方には最初の瞬間から一分の隙も無くエンドロールまで興奮せずにいられないサービス精神の塊のような映画です。