独特の世界観と魅力的なキャラクター、引き込まれるストーリー
(あらすじ)動物たちが人間と同じように二足歩行して生活する世界でのお話です。舞台はチェリートン学園という動物たちの学校。そこでは肉食も草食もみな共生しています。主人公のレゴシは大柄で迫力はあるけれど心の優しいハイイロオオカミの少年。演劇部の裏方として仲間たちと平和な日々を過ごしていました。ところがある日、同じ演劇部のアルパカのテムが何者かに食い殺されてしまうという事件が起きます。レゴシはそれをきっかけとしてさまざまな出来事に巻き込まれていきます。
(感想)登場人物がみんな動物という作品はあまり読んだことがなかったのですが表紙がかっこよくて1巻を買いました。世界観や設定がかなりリアルで、動物ものと言っても人間社会と同じような規則が定められており、キャラたちの会話も、まさにそんなことを喋りそうだなと想像できて面白いです。キャラクターも魅力的で、主人公のレゴシをはじめ、個性豊かな動物たちが登場します。ぶっとんだキャラクターというよりは、草食獣として肉食獣として、自分の生き方や在り方を一生懸命に探しているところが個人的に大好きです。絵柄も線が太くひとつひとつのコマが大きく迫力があり、バトルシーンは躍動感あってとても面白いです。字や絵が大きめなので展開もわかりやすくドラマティックです。成長していくレゴシの青春模様を描きながらも、肉食獣と草食獣との共存についても考えさせられる奥深いストーリーです。読み始めたら続きが気になって止まらなかったです。