BEASTARS / ビースターズ

BEASTARS / ビースターズ

『BEASTARS』とは2016年より板垣巴留が『週刊少年チャンピオン』で連載している漫画、およびそれを原作としたアニメ作品。肉食獣と草食獣、爬虫類や鳥類などの様々な動物が共存する世界を舞台に、全寮制の学校チェリートン学園に通う悩めるハイイロオオカミの高校生・レゴシが、恋愛や部活、家族との関係や社会での関わりを通し、種間の違いに葛藤しながら成長していく青春を描く。擬人化された肉食獣と草食獣の対立や異なる種間の相互理解を巡るすれ違いが生み出すドラマは国内のみならず海外にも厚い支持を受ける。

7zasabatyouのレビュー・評価・感想

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BEASTARS / ビースターズ
10

同じ動物として、ちゃんと生きたい

本屋さんで手に取って、読もうかどうしようか迷ってる人がいたら迷わず自信を持ってオススメする作品である。
登場人物ならぬ登場動物がかっこいいし、かわいいし、愛しい。
すべての動物たちへ動物愛が半端なく溢れる。
ストーリーはシュールで深い、ゆえに興味深い。
差別問題を取り上げているようにも思うし、弱肉強食反対を唱えているようにも思う。
心に刺さる言葉もあちこちに散りばめられていて、ふと立ち止まって見返していたときも多々あった。
絵も描き込められていて、血の描写が生々しくリアルだった。
自分も嗅覚の鋭い動物にでもなったかのような感覚である。

推しの動物ができる。オオカミやシカやライオンやパンダ、甲乙つけられなく好きになる。
動物園に行きたくなる。動物たちがたわむれている様子を間近で観察してみたくなる。
近場の動物園に行って、ライオンやキリンと話がしたくてたまらなくなる。
テレビで犬や猫が出てくると勝手に親近感もわいた。いつのまにか彼らの性格なんかも分析している。
動物図鑑も見てみたい。毒のある爬虫類や絶滅危惧種なんかを根こそぎ調べて詳しくなりたい衝動に駆られた。
しばらく肉が食べられなくなった。肉を見ると吐き気を催して辛いのだ。
自分の中の探求心という野生動物が目を覚ます、今まで味わったことのない新鮮な作品である。