よくあるミステリーと思い謎解きを楽しみに手にとったら大間違い。誰もが持っている心のモヤモヤを言葉に乗せて届けたらこうなった。同じページを何度も読み返したくなる不思議。
一つの物事は、こうやって見方や角度を変えるだけで景色が変わる。そして心が軽くなる。
全国の子供達はこの漫画を教材にすべきです、と言いたいほど、大事なことがぎっしり詰まっています。
主人公は大学生の久能整(ととのう)。
とある殺人事件の容疑者として警察から取り調べを受けるのだが、最初は屁理屈のような言い返しも、徐々に相手を納得させていく。
例えば、真実は一つだと言い張る警察官に対し、
「真実って何ですか?AにはAの真実があり、BにはBの真実がある。真実は人の数だけある」と。
また、ある時の整(ととのう)のセリフに
「海外の父親は子供の成長に立ち会うことを父親の権利だと思い(だから仕事を休む権利があり子供のイベントには積極的に参加する)、日本の父親は義務だと思っている(だから大切な仕事を休んでまで無理矢理行かされる)。この考えの違いは天と地ほどの差があるんです」とあります。
これは海外在住歴が長い私からみても、「その通りです」と言いたくなるセリフです。
学校で父の日のイベント当日に母親が来ている家庭はありません。そして父親が来れなくて一人で過ごす子供もいません。
仕事を抜けて子供のイベントに参加する。欧米では当たり前のことなんです。
試し読みをしてみてください。絶対に止まらなくなりますから。
「マンガ大賞2019 第2位」に選ばれたのも納得です!