カサブランカ(映画) / Casablanca(film)

カサブランカ(映画) / Casablanca(film)

『カサブランカ』とは、1942年に封切りされたアメリカ合衆国の恋愛ドラマ映画である。日本初公開は1946年。
舞台は第2次世界大戦下の1941年、ドイツ軍の支配の影が及びつつあるフランス領モロッコのカサブランカ。そこで酒場を営むアメリカ人リックの元に、反ナチスの大物でもあるラズロとその妻イルザが現れる。ラズロはアメリカ行きの旅券を手に入れるためにイルザを連れてリックの店にやってくるが、イルザとリックはかつての恋人同士だった。彼らの思いがけない再会と愛情の再燃を描きつつ、反ナチスのプロバガンダの要素も多く含まれている。
アメリカが第2次世界大戦に参戦した翌年に制作され、第16回アカデミー賞にて作品賞・監督賞・脚色賞の3部門を受賞。1998年には「アメリカ映画ベスト100」で2位、2002年には「情熱的な映画ベスト100」の1位を受賞。主演のイングリッド・バーグマンやハンフリー・ボガートはこの作品をきっかけに世界的大スターになった。2009年には宝塚歌劇団で世界初のミュージカル化を果たした。

go-1117701496075674734603のレビュー・評価・感想

カサブランカ(映画) / Casablanca(film)
9

ほろ苦い恋愛とはこういうものなのか

「君の瞳に乾杯」、「これは私たちの美しい友情の始まりだ」この作品は数々の名言に彩られている。
舞台はドイツが勢力を拡大させていった抑圧された時代。
主人公のリックはフランスのカサブランカの地で「カフェ・アメリカン」を経営していた。
そのカフェに訪れたのは政府に追われる指導者ヴィクトル・ラズロとその妻イルザ。
その二人を見てリックは動揺を隠せなかった。イルザはパリ時代に自分の前から何も言わずに消えた元恋人だったのだ。
自分らしく生きようとすればするほど命の危険を感じた激動の時代。
複雑な人間関係になってしまったのは誰が悪かったからではなく、仕方がなかったんだと思わずにはいられない。
この3人の関係と行く末は最後まで気をぬくことができないが、見た後には自然と上を向くくらい爽やかな気持ちにさせてくれる。
主演のハンフリー・ボガードはボギーの愛称で親しまれたハリウッド俳優だ。
「カサブランカ」で二度目のアカデミー主演男優賞に輝いた。
ちなみに一度目は「アフリカの女王」で、その後は「ケイン号の叛乱」でも受賞した。
まさに渋い男の代名詞と言える役者である。恋に苦悩する姿は当事者には嫌な話だろうが、観客の目を引き付ける色気に溢れている。