日本屈指の実力派バンドにしてエンターテイナー
1982年結成、1985年にヘヴィーメタルバンドとして地球デビューを果たした『聖飢魔II』。
ご存知の通り、見た目は若干奇抜だがこれはメイクではない。なぜなら彼らは悪魔だから。
デーモン閣下がボーカルを務めるバンド、と言えばおわかり頂けるだろう。
『聖飢魔II』は1999年、デビュー当初からの宣言通り、「地球征服完了」のため惜しまれつつ解散した。
おどろおどろしい外見からは「イロモノバンド」と思われがちだが、実際に彼らの楽曲を聴くと驚くほどに各パートの演奏力が高いのが分かる。
デビュー当時は「悪魔」を全面に押し出した楽曲(デビュー曲「蝋人形の館」然り、「地獄の皇太子」然り)が多かった。
しかし1999年の解散までの10数年の間に悪魔性・ヘヴィーメタルに固執しない、
フュージョン、ジャズ、ラップ等多様性が感じられる作品を数多く世に出している。
『聖飢魔II』の構成員(メンバー)で、最も世間に認知されているのはおそらくフロントマンのデーモン閣下であろう。
トークなどでは“ダミ声“風の声だが、楽曲によっては非常に透明感のある、かつパワフルな歌声を披露する。
そしていわずもがなの”シャウト“。このシャウトをミサ(ライヴ)でコンスタントに出すことの出来るアーティストはそういないだろう。
ギタリストはエース清水、ルーク篁、ジェイル大橋(ジェイル大橋はデビュー時と再結成時)。
エース清水はメロディアスで切ないメロディーをロックの中で織り込み、ジャズテイストもお手のもの。
ルーク篁の速弾きは全国のロック少年垂涎のテクニックだろう。
ジェイル大橋は、アメリカンロックを体現出来るダイナミックで自由なギタリストと言える。
ドラムのライデン湯澤、ベースのゼノン石川は、抜群の安定感でバンドの柱となっている。
耳を澄ませるとドラムやベースが主役なのでは、と思えるような楽曲すらある。(「ヒロインシンドローム」、「ファラオのように」など)
様々なテイストで、各パートの持ち味が滲み出ている『聖飢魔II』の楽曲は聴けば聴くほど美味しいスルメイカのようだ。
1999年に解散した『聖飢魔II』だが、デビューからの周年記念に再結成を数度行なっている。
本来ならば2020年もデビュー35年記念再集結ミサが予定されていたが、コロナ禍のため延期。
しかし2021年、ついにこのミサが決行された。
(エース清水は不参加…ルーク篁とジェイル大橋のツインギター)
無観客ライブの映像上映とともに、アコースティックを中心とした生ライブがその内容となる。
このライブはホンモノの音楽に触れる貴重な機会となるだろう。