「テーマは重めだが、グッと引き込まれる」
一見、障害やいじめが主題のように思えるかもしれないが、本質的なテーマは「人と人との繋がり」だと思う。
この障害は我々の日常生活にも起こりうることであり、それぞれが自分を肯定するために自分にとって都合の良い解釈をし他人との接触を図ることで生じうる。
ある"事件"によって、いじめの主犯は罪悪感を抱きながら、小学生の頃の過ちと向き合い始める。
明るく、いたずらっ子な性格から一転し、「自分には罰が足りない、自分は死ぬべき人間なんだ」と死ぬことで、過去の過ちから許されようとしていた。
「どんなに辛いことがあっても死んではいけない」「他人の嫌いなところも自分の嫌いなところも少しずつ好きになってほしい」、というメッセージ性を感じた。
自己肯定感が低くなりやすい人ほど共感できるシーンが多くあると感じた。
ストーリー性やメッセージ性だけでなく、映画では登場人物の細かい表情であったり、シーンにあった音楽や情景が繊細に作り込まれているため、
原作の漫画とは少し変わっているシーンもありそれも楽しめる要素だと思う。
物語には悲しく、心苦しくなるシーンも多々あるが、感動的なシーンや青春を謳歌しているシーンもあり、読者を前向きにさせてくれる作品だと思う。