拙い部分はあるが、主人公やストーリーは面白い!
『蜘蛛ですが、なにか?』は、馬場翁によるライトノベル作品で、2021年7月から全24話でTVアニメが放送されました。
日本のある高校の教室で突然爆発が起こり、教師と生徒たちは全員死んでしまいます。
その後、みんな異世界で転生しますが、主人公の「私」は蜘蛛の魔物に生まれ変わってしまいました。
魔物の中でも最底辺に位置し、生きるだけでやっとな状況を嘆きますが、異常なほどのポジティブさを発揮して生き抜きます。
「私」はハイテンションで一人語りをすることが大半で、とてもテンポが良く見ていて楽しくなります。
「私」の声は悠木碧さんが演じており、可愛い声がキャラクターに合っていて一人語りをより面白くしてくれています。
この作品の一番の魅力は、最弱の魔物からスタートした「私」が生きるために地獄のような環境でサバイバル生活をし成長していくところでしょう。
最弱であるからこそ、知恵を使ってなんとか勝利しようとする「私」の頑張りにハラハラドキドキするはずです。
話は2つの視点で進んでいきます。
主人公の「私」のパートと、同じ異世界に転生した同級生の山田くんのパートです。
それぞれ全く別の状況から始まるので、最初は少し混乱しますがこの2つの視点がどうつながるのかと話の後半に期待が膨らみます。
しかし、後半になり期待は裏切られていきます。
「私」は戦闘を重ねて強くなっていき、後半にはある程度の強さを得ます。
すると今まで必死に生きようとしていたのが、嘘のように強くなり緊張感がなくなってしまいます。
さらに最終話では、ついに2つの視点がつながるかと期待していましたが、全くつながらず、問題が解決することもありませんでした。
多くの謎の答えが明かされないまま放送が終了し、中途半端と言わざるを得ません。
まとめとして、ストーリーや「私」の小気味良いトークは面白いです。
しかし表現方法や作画、尺の取り方に拙さのある作品です。
拙さを理解した上でストーリーを楽しみたい方におすすめします。