うらみちお兄さん

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うらみちお兄さん
10

大人が持つ裏の顔

教育番組「ママンとトゥギャザー」の体操のお兄さん、表田裏道の日常の話で、大人なら一度は思ったり感じたりした事の感情がオンパレードの作品です。教育番組で良い子に囲まれながらも闇を吐くお兄さんに、「あー、分かる…」と、頷ける部分も多数です。教育番組なのに歌の歌詞も教育番組らしくなくて面白いです(作者さんは適当に書いた歌詞と書いておられましたが、何だかジワる歌詞です)。
うらみちお兄さんがへこんでいたら、こどもたちが慰めたり、こどもたちの方が大人だったり、「なぜそんな言葉知ってるの!?使ってるの!?」という場面があったり、着ぐるみのウサオくんは何故か邪険に扱われたり、「あぁ、現代のこどもなんだな…」と思えたりします。
うらみちお兄さんの描く絵が筋肉ムキムキで、こどもたちには不評でも何故か世間には受け入れられて商品化したり、実際、何だか妙に印象に残る絵です。
適当なディレクターに振り回されながら、真冬に真夏の映像を撮ったり、真夏に真冬の映像を撮ったり、仕事だと納得しようと努力しながらも闇を吐くお兄さんに「うんうん、だよね…」と、共感する部分が多数です。回りにいる共演者や後輩達もクセが強いのに、実際に自分たちの回りにいるタイプで、現代の大人達の吐きたい闇を代弁してくれている作品だと思います。