信長の忍び

信長の忍び

『信長の忍び』とは、2008年に『ヤングアニマル』(白泉社)12号から連載を開始した重野なおきによる4コマ漫画、およびそれを原作としたアニメ作品である。重野いわく、「忍び漫画ではなく、忍びの目から見た戦国漫画」とのこと。基本的にギャグ漫画でありつつ、戦国時代の逸話、うんちくも盛り込まれ、ストーリーラインも史実をほぼ忠実におさえている。
少女忍者千鳥が、織田信長の夢に惹かれ、ともに天下布武を追っていく物語。信長を超甘党な男として描いたり、その他のキャラクターたちも強い個性を持っている。

6mayのレビュー・評価・感想

信長の忍び
9

日本の歴史を楽しく学べる

日本でもっとも有名な戦国大名である織田信長と、彼に仕える忍びたちの四コマ漫画。
テンポがよく、笑いあり涙ありで歴史が苦手な人もさくさくと読み進めることができる。
物語は弘治元年、尾張国で信長と主人公である忍びの見習い千鳥との出会いから始まる。
キャラクターたちはとても可愛らしく描かれているが、基本的には当時の風習や史実に沿って話が進むためリアリティに欠けることなく没頭していける。
千鳥の視線を通して、甘党で妻や妹に弱い信長やいつまでたっても使いぱしりの気質が抜けない秀吉、
ツッコミの名人だが絶妙に間の悪い光秀など、個性豊かな家臣たちとのやりとりを楽しめる。
登場キャラクターの魅力は織田家にとどまらず、敵対する今川家や武田家の武将たちもまた個性的だ。
温泉のためなら病をおして浸かりにいく武田信玄や銭に目がない雑賀孫市など、挙げればきりがないほどだ。
登場するのは有名武将が多いのは当然だが、武将の妻子や百姓たちが出てくることもあり、作者の細かなこだわりが見て取れる。
四コマではあるがそれぞれの情勢や心情がしっかりと描かれているため感情移入がしやすく、誰かが死ぬ場面などはついウルっとしてしまう。
漫画としても楽しめるし、日本の歴史に興味を持つきっかけとしても持って来いな作品である。