8
アニメ四畳半神話大系の異質さについて
このアニメの原作は著森見登美彦さんの小説である。
森見登美彦さんの豊かな表現力とこのアニメの監督である湯浅政明の美しくも独特な世界観がタッグを組んだ、
まさに他の人には絶対に生み出せない、ゆったりとしているがどこか不安を感じるといった唯一無二の雰囲気が醸し出されている。
注目すべきはその作画である。絵のイメージとしては、背景は人間をリアルに描くものでは無い。
本作品の作画は非常に抽象的で色彩溢れた映像が続く。
さらに特徴があり、それは作中での感情の表し方についてである。
人が動くというよりは背景の移り変わりによって人物の感情の動きを感じることができる。
また、非常に分かりやすく顔を赤らめたり、青ざめたりする事で、画面に明るい時と暗い時のメリハリを付けている。
このように、作画に特徴をつける事でインパクトを作りそれだけで興味を引くものとなっている。
もちろんそのストーリーの面白さもある訳なので、このアニメの深さはとんでもないものになっている。
このアニメは、基本的に1話完結である。物語の主軸は主人公の語りで進んでいくので感情移入がとてもしやすい。
また、1話完結だと述べたが、物語の最後まで見ると点と点が繋がる仕様になっているので気になる人はぜひ見て欲しい。