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興味深い作品
「機動戦士ガンダム」シリーズは、実は地球の環境問題を切実に訴える作品だということは意外と知られていません。人類が宇宙にスペースコロニーを建築して、そこで産まれ、生き、死んでゆく世界。宇宙世紀と呼ばれる頃には、人類は地球に頼らずに生きていけるだけの科学力を持ちました。だからこそ、スペースコロニーの中にジオン公国が生まれ、地球連邦政府に対して宣戦布告するに至ったのです。後に一年戦争と言われるこの戦争は、機動戦士ガンダムから7年後。地球の引力に魂を奪われた人類(ティターンズ)に宇宙で迫害を受けている人類(エゥーゴ)が戦いを挑みます。ティターンズが敗北するまでのグリプス戦役が描かれるのは機動戦士Ζガンダムを経て5年後。ジオン軍の生き残り、ネオ・ジオン軍は核ミサイルを詰め込んだ隕石を地球に落とします。地球を寒冷化させて人類が住めない状態にして、地球を汚す人類を滅ぼそうとしたのです。地球人に絶望したネオジオン総帥のシャアと、それを阻止するために戦うアムロ。最終的に地球寒冷化作戦は失敗に終わります。映画のラストシーンで映る地球が、とても美しかったことを覚えています。地球に頼らずに生きていける新しい人類(ニュータイプ)の革新が、いずれ訪れることを期待しつつ、物語は終わりました。