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舞台劇との連動で企画が進んだ、犯罪ミステリースリラーの佳作
『ダイヤルMを廻せ!』は1954年公開の犯罪ミステリースリラー映画で、監督はアルフレッド・ヒッチコック、出演はラリー・ミランド、グレイス・ケリー、ロバート・カミングス、アンソニー・ドウソン、ジョン・ウィリアムスらです。映画の脚本およびその舞台劇化脚本は英国の戯曲作家フレデリク・ノットによって書かれました。この舞台劇は1952年にBBCテレビで先行公開され、同年の6月にロンドンのウェストエンドで実際の舞台プログラムとなり、その後、10月にニューヨークのブロードウェイで上演されました。当初は3D映画として構想されていたのですが、映画の公開時点では3D処理に対する関心が失われたために通常の2D映画として大半の劇場で上映されました。1954年には北米で270万ドルの興行収入をあげました。『ニューヨークタイムズ』の映画評は、「ヒッチコックの実現した技術的な勝利」と本作を評価して好意的な批評を寄せました。