吉田拓郎

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吉田拓郎
10

フォークに留まらない大御所

吉田拓郎は今さら説明の要らない大御所のミュージシャンです。その出発点はいわゆるフォークソングで、デビューして数年後に「結婚しようよ」が大ヒット。その頃のニックネームは「フォークの貴公子」でした。しかし、拓郎はその枠に留まらず、その数年後には演歌の若き大スターの森進一に「襟裳岬」を作曲。この曲はビッグヒットしてレコード大賞を取りました。その後も由紀さおり、キャンディーズ、太田裕美、石野真子、かまやつひろし、梓みちよ等々に曲を提供してヒットさせると同時に、自らもアルバムを次々とリリースしていきました。さらに五十代になってからはKinKi Kidsとともに「ラブラブ愛してる」という番組の司会を務め、その縁でKinKi Kidsのために「全部抱きしめて」を提供してビッグヒットとなりました。彼らにギターを教えたことにより、KinKi Kidsの2人は作曲なども行うようになり、「愛のカタマリ」をヒットさせたのも印象的でした。拓郎の魅力は、いわゆる「拓郎節」と言われる独特な旋律にあります。それは哀愁を感じさせ、彼独特のサウンドとなって多くのファンを獲得してきました。さらに、拓郎は字余りの歌詞を曲に乗せるということを初期から行い、独特な世界を作ってきたのです。これも彼の大きな特徴であり、個性だと言えるでしょう。また、いわゆるコンサートツアーを最初に行ったのが拓郎なのです。そういう意味でも彼は開拓者だったと言えます。