原作者も驚いたアルスラーン戦記(漫画版)
田中芳樹さん原作の小説『アルスラーン戦記』を荒川弘さんが漫画にした作品です。原作者である田中さんがこの作品をぜひ小説化したいとジョークを述べるほどの出来です。
主人公は強国パルスの王子アルスラーン。気弱で頼りないと評価される一方、優しく好奇心もある彼は14歳で初陣を迎えます。相手は遠国ルシタニアの異教徒たち。強国であるパルス軍は圧勝も同然と信じていましたが裏切りによって軍は罠に嵌り負けてしまいます。アルスラーンは殺されそうになったところを「戦士の中の戦士」ダリューンの助けもあり生き残りました。
初陣の負け戦から始める彼の戦いはなかなか見ごたえのあるストーリーです。田中さんの作品はキャラクターの個性がたっていて漫画版でもビジュアルや表情やアクションがキャラクターと上手くマッチしています。
そして原作者も気に入った荒川さんの漫画力はすごいです。ダリューンがアルスラーンを助けに来たときの戦いのシーンは迫力がすごくあり、彼の戦士としての凄さを見事に表現しています。
アルスラーンは戦いだけでなく、自分の出自についての謎や王国の秘密などもでてきて問題が山積しています。
そして敵国ルシタニアだけでなく他の隣国も関わってきます。
ただ敵を倒すだけの物語ではなく敵国や隣国の事情なども出てきてとても深い人間物語も観られます。