独特な世界観が好きです
とても独特な世界観のある作品です。絵はとてもかわいらしく、クスッと笑えるシーンもほのぼのなシーンもあります。時折挟まれる不気味な空気がこの作品の魅力です。
まず、この世界には顔がなく真っ黒な姿のシャドー一族という一族がいます。貴族のような彼らは自分たちに顔がない代わりに彼らの顔の代わりとして「生き人形」という顔のある人間のようなものを従えています。
このシャドー様に仕える生き人形が、主人公のエミリコです。エミリコはメイドのような恰好をしたかわいい人間の女の子にみえるのですが、生き人形です。
シャドー様に仕える生き人形のエミリコは、とても明るく素直な性格で、主人であるケイトにもニコニコとはなしかけていてとってもかわいいのですが、おっちょこちょいなところもありケイトを怒らせてしまうことがあります。
シャドー様であるケイトは怒ったり不安なことがあったりすると体からすすをだして部屋を真っ黒に汚してしまいます。そのすすを綺麗にすることもエミリコの大切な仕事です。すすを綺麗にしないと「こびりつき」というお化けのようなものに変わって、生き人形の中に入り暴れまわるのです。
読み進めていくとケイトやエミリコのほかにもシャドー様や生き人形がたくさん出てきます。シャドー様側も一枚岩ではなく、内部でもめていたり足の引っ張り合いをしたり協力したりと、どんどん展開が進むので飽きずに読み進められます。何よりエミリコがかわいいです。
シャドー様って本当は何者?エミリコは本当に人形?と謎が増えていくのが面白いです。