お互いを思う切なさ
主人公二人の純粋さや相手を思う気持ちにとても感動する作品。目が見えない明香里とある過ちを起こしてしまったことでキックボクサーを辞めざるを得なかった塁。最初の出会いは駐車場の管理室。お互いを知らないままであった二人はある出来事を通し急接近する。明香里の天然さにクスッとする場面があったり、塁のふとした優しさだったり最初の方はほっこりする物語。だけど物語の中盤から徐々に悲しい共通点が見つかり物語は変化していく。塁が知ってしまった事実は二人の関係性を脅かすものであった。彼女が知らない事実を自分だけが知っている、そのどうしようもない感情から彼女に償いたいという思いが募っていく塁。そして危ない賭けに出てしまう。彼女を傷つけると思い離れる塁と彼の優しさにどんどん惹かれ一緒にいたいと思う明香里。その二人の視点で見るととてつもなく切なくなる。お互いがお互いを思っているのにどうして一緒に入れないのだろう。一旦は別々の道に歩き出した二人が、最後の20分でまた交差する。その最後のシーンは号泣間違いなしです。塁が力強く握りしめた拳の意味を知った時きっとあなたも涙する…。BTSの主題歌が良いタイミングで流れそれもきっとあなたの涙を誘うことでしょう。