昭和の空気を懐かしむことができる作品
この作品はもともと、同人サークル「07th Expansion」が発売したゲームから始まった。ゲームが発売されると人気が出て、またたくまに小説化や漫画化といったブームが巻き起こった。同人誌即売会であるコミックマーケットにて、2002年夏からシリーズ化されていった。ゲームの前半は明るい描写やキャラのやりとりに心が和むが、後半から重要な手がかりとなるシーンに入ると演出が急変。迫力のある演出とともにキャラの様子が豹変する。そのギャップからのめりこむファンも急増したらしい。実際に遊んだ投稿主も、そのギャップにやられシリーズの続編を買うくらいにどっぷりと世界観に浸ってしまった。ジャンルとしてはホラーミステリー系で、同じようで違う時間帯の世界…すなわちパラレルワールドを舞台とした作品となっている。そのため、前の話で殺されたキャラが次の話で生きていたりと、不思議な感覚に襲われる。
昭和58年の夏を舞台に、都会から田舎町の雛見沢村に引っ越してきた主人公、「前原圭一」を軸に、学校の部活メンバーを含む5人の生徒の悲劇の物語である。また、それだけではなくこの作品は児童虐待や村の風習など、現代の問題を描く物語としても有名であり、社会的メッセージも含まれた作品だ。それを含み、ホラーサスペンス系の漫画としては新しい感覚で作品を読むことができるのではないだろうか。