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幸せのちから
ウィルスミス主演とのことで鑑賞してみようと思ったが、はるかに想像を超えてきた。初めは見るのを何度もやめようかと思うくらい鑑賞すること自体がきつかった。こんなにも心が重くなる映画は初めてだった。どん底から這い上がる物語であるが、それをよりリアルにするのが、息子と二人三脚であると言うこと。息子のためになんとしてもお金を稼ぐ必要がある中、一生懸命にもがくが、うまくいかずにホームレスの経験を強いる映像はアメリカという国のとてもシビアな様子が克明に記されている。また、その様子は、知識があるのにも関わらず、行動にうつさずただ淡々と生きている私のような人間は、この先同じような状況に陥る可能性が非常に高いように不安に苛まれる。私自身とても不安に苛まれて、見る事が非常に辛かった。将来の自分を見ているようだった。しかし、主人公のもがきが周りを巻き込んでチャンスを自分のものにするとき、今までの重たい心が一気に軽くなった事が印象的な映画である。生きていくとは何か。生きるために必要なこととは何か。なんでもできる人間が、なんにもしない放棄した生き方という、とてももったいない時間の使い方をしている人に是非見て頂きたい。