ファイト・クラブ / Fight Club

ファイト・クラブ / Fight Club

『ファイト・クラブ』とは、1999年に公開されたデヴィッド・フィンチャー監督の映画で、チャック・パラニュークの同名小説を原作としている。現代社会の消費主義やアイデンティティの喪失をテーマにした、サイコロジカル・スリラーである。名前の明かされない主人公が不眠に悩まされるところから物語は始まっている。主人公は医者の勧めにより、様々な自助グループに参加し、そこでマーラ・シンガーというひとりの女性に出会う。またある時に主人公は、飛行機の中でカリスマ的な石鹸の販売員タイラー・ダーデンと出会い、彼の影響でFIGHT CLUBを結成する。『ファイト・クラブ』は男性たちが地下で、殴り合いをする秘密の集まりで、次第に過激な行動をエスカレートさせていく。物語が進むにつれて、主人公はタイラー・ダーデンの正体と自分自身の真実に気付き、衝撃的な結末を迎える。タイラー・ダーデンのキャラクターは、主人公の分身であり、主人公の抑圧された欲望や反抗心を具現化した存在である。

zebram6のレビュー・評価・感想

ファイト・クラブ / Fight Club
7

非日常を体験したい人にぜひ見てほしい。

このFight Clubという映画はほかの映画と比べてかなりぶっ飛んでいる映画だと思います。まず、基本はエドワード・ノート演じる「僕」の視点で物語が進行していきます。この「僕」は自動車会社に勤務し、全米を飛び回りながら車のリコールの調査をする平凡な会社員でした。その「僕」の家は、IKEAのデザイン家具や職人手作りの食器、高級ブランドの服などをそろえた雑誌の表紙に載っているような部屋を作るのが彼の生きがい、人生そのものとなっていました。しかし、彼には不眠症という大きな病を患っていました。この不眠症の苦しみを精神科の医者に訴えますが、「世の中にはもっと大きな苦しみを背負ったものがいる」と言われ睾丸がん患者の集いを紹介されます。そこで彼は、患者たちのつらい苦しみの告白を聞くと自然と感極まり、ここから不眠症が治り始めます。これに味を占めた「僕」は末期がん患者や結核患者などの集いに偽の患者として潜入するようになりました。そこで「僕」と同じように偽の患者としていた女性「マーラ」と出会いますが、彼女との出会いで「僕」の不眠症は再発するようになりました。
そんなある日、リコールの調査で全米を飛び回っていた時に自宅が何者かによって爆破されてしまいます。そんな生きがいを失った「僕」の前に石鹸の行商人タイラー・ダーデン(ブラッドピット)が現れ、「僕」は彼に救いを求めます。その後、バーの帰りに二人は殴り合いをすることが日常になっていき、次第に観客が増え殴り合いをする同士が増えていきました。そこでタイラーはFightClubを設立し、殴り合いがやりやすい環境を整えていきました。しかし、ある日タイラーはFightClubのメンバーに宿題を出し始め、さらには軍団を作り始めました。やがてタイラーは、「プロジェクト・メイヘム」を発案し、社会的権威のある会社などに破壊工作をし始め、FightClubはテロ集団へと変貌していきました。そのことに疑問を感じた「僕」はタイラーに意見しようとタイラーを探すがどこにもおらず、部屋にあった使用済みの航空券を手掛かりに全米を探すようになりました。タイラーは全米のどの大都市にもFightClubを作っていた。ある店でFightClubのメンバーたちと会うとある一人から「あなたダーデンさんですよね」と言われた。そこから慌ててマーラに電話で自分の正体を確認するとタイラー・ダーデンだということが発覚する。なんと理想の自分がもう一つの人格、タイラー・ダーデンとして自分がテロ集団への指揮をしてしまっていたのだ。タイラー・ダーデンがクレジットカード会社をFightClubを使って爆破しようということに気が付いた「僕」は自分の計画を止めようとクレジットカード会社へ走っていく。
この映画は、かなりグロテスクな表現や性的な描写が多いため複数人で見るときは注意してください。