死刑にいたる病

死刑にいたる病

『死刑にいたる病』とは、櫛木理宇による小説、およびそれを原作として白石和彌監督によって実写化されたサイコミステリー映画である。鬱屈した日々を過ごす岡田健史(水上恒司)演じる大学生・筧井雅也の元に、阿部サダヲ演じる24人もの少年少女を殺害し世間を震撼させた連続殺人犯・榛村大和からある日突然1通の手紙が届くことから物語がスタートする。PG-12指定。

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死刑にいたる病
10

阿部サダヲの最高演技

阿部サダヲの演技で思い浮かべるのは、多くの方はコミカルな演技じゃないでしょうか?今回はシリアルキラーの役柄です。和風ハンニバルレクターを思い浮かべるでしょうが、若干違う。日本人だから分かる細かいニュアンスなど「ハンニバル」や「羊たちの沈黙」などでは味わえないものがあります。阿部サダヲが演じる榛村大和 (はいむらやまと)は快楽殺人ではなく、自ら築いた信頼関係を壊して絶望に追い込むという殺しのルーティンがある。信頼関係を築くまでの工程は日本人ならではのニュアンスで、レクターでは表現出来ないし、阿部サダヲだから出来る表現です。
特殊な役柄で阿部サダヲの演技だけが目立ちますが、岡田健史演じる筧井雅也(かけいまさや) の演技も見事。うだつの上がらないFラン大学生がシリアルキラーに徐々に侵食されていく様を演じている。阿部サダヲの鬼気迫る演技に応えるように熱演している。この役者を初めて知ったのがこの作品だったのですが、阿部サダヲのビックネームに負けない演技だった。この役者が演じたから、阿部サダヲの演技との相乗効果が出たと思う。
この作品の監督は白石和彌という方でこの作品に近い所だと[凶悪][日本で一番悪い奴ら][孤狼の血]などです。色々な仕事をしてますがドス黒い作品が印象に残ります。こういう作品に免疫がある方には観て欲しい作品にです。