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歴史好きでヴァイキングに興味ある人必見
11世紀ヨーロッパのヴァイキングを題材にした漫画です。
歴史を題材にした漫画は数多くありますが、ここまで時代考察がしっかりしている漫画はなかなか無いです。
漫画に描かれているちょっとした服装やキャラクター達の死生観、歴史的背景からくるセリフがこの時代好きにはグっと来ます。もちろん、予備知識がなくても十分楽しめる内容です。
ストーリーとしては、主人公の成長物語が主軸ですが、普遍的な描き方ではなく、作者の前作「プラネテス」のようなメッセージ性のある作品になっています。
漫画の題材的に仕方がないのですが、残虐な戦闘描写が多く、血なまぐさい漫画ではありますが、描かれる美しい自然を背景としたキャラクター達の振る舞いや、セリフからの繊細な心情描写が心に強く残ります。
それから、主人公に関わるキャラクターが人間らしくて癖のあるキャラクター達ばかりで本当に印象深いです。
主人公の親の仇でありながら育ての親のような存在でもある傭兵団の頭領や、ヴァイキングでありながら戦うことを辞めた父、生まれも育ちも違う血のつながらない兄弟など、主人公の生き方に影響を与えたキャラクター達が特に印象的です。
何回読み返しても引き込まれる漫画です。