君が僕らを悪魔と呼んだ頃

君が僕らを悪魔と呼んだ頃

『君が僕らを悪魔と呼んだ頃』とは、2017年から2020年にかけて『マガジンポケット』にて連載された、さの隆によるサスペンス漫画。全14巻で完結した。
高校進学後、半年間の失踪を経て全ての記憶を失ってしまった高校生・斎藤悠介は平穏な日常を過ごしていた。そんなある日、彼の過去を知る被害者たちが次々に現れ復讐を果たそうとする。過去の悠介はいじめをはじめとした数々の悪事を働いていたのだった。覚えのない罪で断罪される瞬間、悠介は人を殺した記憶の断片を見る。
過去の自分が犯した罪を知った悠介が一生をかけて罪を償っていく様を描いた作品。

tsu_23b9のレビュー・評価・感想

君が僕らを悪魔と呼んだ頃
7

あなたは主人公を許せるか

1部と2部から構成されており、1部は記憶をなくした主人公である男子高校生の平凡な日常から始まる。
だが、主人公は記憶を失う前はとんでもない「悪魔」だった。
記憶を失う前の知人友人らが主人公の前に現れる。ある者は復讐のため、ある者は主人公を利用するため。
現在の平和な生活を当たり前のものと思っていた主人公を追い詰める被害者や元仲間たちの存在、そして過去の自分の罪と向き合っていかなければいけない重圧に主人公は苦しむ。
そんな主人公に寄り添うガールフレンド。だが、ガールフレンドは主人公が過去に最も苦しめた同級生に瓜二つなのだった。
度重なる主人公と仲間による強姦の末、妊娠し中絶した同級生。
彼女への贖罪の気持ちからか、記憶を失っても彼女と顔の似ている女性を愛したことに驚く主人公。
「悪魔」と言われていたという俺に贖罪の気持ちがあるなんて…。
主人公を追い詰めるため、現在のガールフレンドが危険にさらされ元仲間たちの言いなりになる主人公だったが、元仲間たちを反対に自分の子分にしてしまう。
その後、過去に強姦した同級生に再会し一緒に死ぬことを決心したが、ガールフレンドの懸命な説得により死ぬのはやめ、贖罪の人生を歩むことにする。
そこで1部が終了し、2部は偶然知り合った不幸な兄妹のために自分を犠牲にしてまで守ることを主人公は誓い、行動する話になっている。