キャラクターの複雑な心理が魅力的
人間界と霊界と魔界が存在する世界で、不良の男子中学生「浦飯遊助」が主人公のバトル系漫画です。
霊力を駆使して不良仲間や協力的な妖怪と共に異なる立場の人間や妖怪と闘います。
グロテスクな描写や多様な価値観を持つ心理に惹きつけられます。
一般的な価値観とは大きく外れたような思考判断をするキャラクターがたくさん出てきます。
人気の敵キャラを1人紹介します。
「戸愚呂(弟)」は強い肉体を維持するために妖怪に転身した元人間の格闘家です。
妖怪に仲間と弟子を殺されたことで圧倒的な力に絶望し、慢心していた自身の甘さを捨てるために孤独の道を選びました。
強くなって妖怪へ復讐を果たしますが、彼は自身を許せませんでした。
圧倒的な力を手にした自身が100%の力で闘える相手を待ち望みます。
彼を倒したのは仲間のために120%の力を出せる浦飯でした。
圧倒的な力には誰にも勝てないという自身の価値観を否定することになったのが、
かつて求めていた仲間とのつながりから生まれる力であることに少し晴れた表情を見せます。
死んだ後に彼は一番辛い地獄に行くことをを自ら選択します。
慢心していた自分の甘さへの悔いは晴れていないからです。
彼の最後の言葉は自身の知る以上の強さをもつ浦飯への期待と仲間への感謝でした。
強敵と闘ったあとに浦飯が相手の価値観に影響を受けてるような発言の変化が感じられるのも面白いです。
時間を経てから読むと新たに理解できる複雑な人間心理が作品の大きな魅力と思います。