自分自身と支えの大切さを忘れなければ…
メジャーリーグを夢見る吾郎は野球があれば何も要らないくらい大好きである。神奈川に居所を置く吾郎は少年野球チームに所属する勝ちにこだわる少年である。ただ勝ちにこだわるふつうの思考だけではなく、強い相手と正々堂々と力をぶつけ合い、「強い」「負けない」「仲間」が心に繰り返し響く。
少々勝手な吾郎は、まずは自分の力試しをする。大したことないと感じる相手に対して力勝負を繰り広げ、しょっぱなで挫かれる。何がいけないのかを分析し、今自分に足りないものを探し見つけ出す。そこで吾郎は、野球の楽しさをあらためて感じ、支えてもらった仲間や家族、ライバルの存在を思い出す。
吾郎の仲間たちは、決して野球が上手ではない。でも吾郎に楽しさを教わり、グングン成長し一緒に戦う楽しみを、また仲間の大切さを知ることになる。ほぼすべてにおいて吾郎がリードするが仲間の信頼が半端なく大きい。自分でも努力し仲間の成長も気に掛ける吾郎はエースでクリンナップを任されている。ここで結果を出せなければと集中する吾郎のバットに火が付く。そしてクライマックスは、やはり小学生離れした快速球が右腕からキャッチャーのミットに吸い込まれる。