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こんな漫画があるんだ
本書は宝島社【このマンガがすごい!2022年オトコ編第1位】を受賞したためご存知の方もいるかもしれません。
藤本タツキ先生は「ファイアパンチ」「チェンソーマン」の作者であり、少年ジャンプの読者であるならば藤本先生の作風をイメージできる方もいるかもしれません。私もその一人であり、なんとなく軽い気持ちで本書を読み進めました。
物語が進むにつれて一気に話の中に引き込まれ、口に出た感想は、やっぱりこの人は天才だ。作者はどういうことを伝えたくてこの漫画を描いたのだろう、どうしてこんなストーリーが頭に浮かんだんだろう。読後、そのようなことを考えましたが答えは出ず、ぼんやりとした気持ちが残りました。読み返すのも少し力を入れないとできない、そんな漫画であったと言っていいかもしれません。
少なくとも、私は今まで生きてきてこのような作品に出会ったことがない、出会えてよかったと心の底から思ったことを覚えています。名作だ!いうものではなく、何かよくわからないけれど考えさせられる漫画といってもいいのではないでしょうか。漫画ってこんなに深いんだな、と藤本先生に教えられた気がします。藤本先生、ありがとう。