ビューティフル・マインド / A Beautiful Mind

ビューティフル・マインド / A Beautiful Mind

『ビューティフル・マインド』とは、ノーベル経済学賞受賞の数学者ジョン・ナッシュの半生を描いたアメリカの映画。
数学界、経済界にとって画期的な理論「ナッシュ均衡」を発見、発表する天才数学者のジョンだが、人付き合いが苦手な中で仲の良い友人が出来たり秘密部隊から極秘任務を任されるという幻覚を見る統合失調症に苦心した。本作では統合失調症の世界観の例を示すとともに、最初は自身の幻覚を現実と思い込んでいたジョンが事実を受け止め、周囲の人たちと共にその事実と向き合っていく様が描かれている。2001年公開。

3glisa_999のレビュー・評価・感想

ビューティフル・マインド / A Beautiful Mind
9

ラッセル・クロウの演技が素晴らしい

「ビューティフル・マインド」はアカデミー賞を4部門受賞した名作と言われる作品です。主演はラッセル・クロウ。男っぽい役が多い印象がありますが、この作品では非常に繊細な主人公ジョンを演じています。
ジョンの印象は序盤から中盤は数学の天才だが、変わったところのある人です。ルームメイトがとてもいい人で、変わっているジョンの理解者であったり、天才なゆえに黒ずくめの怪しい男からスパイ的な仕事を頼まれたり、かなり波乱万丈な人生を送ることになります。
しかしジョンの結婚後、ルームメイトとその姪っ子、黒ずくめの男が統合失調症による幻覚だとわかります。ここからが、壮絶です。幻覚だとわかっているのになかなか彼らとの縁を切れません。ジョンが一生懸命彼らと話していても、はたから見れば、誰もいないのに話しているように見えるのです。時には、ルームメイトがジョンの赤ちゃんをお風呂に入れると思い込み、赤ちゃんをおぼれさせてしまいそうになったりします。
ジョンは長い年月をかけて、彼らと折り合いを付けようとします。病気との闘いを支えたのは、大事な家族と数学に対する情熱です。ついにノーベル賞を受賞するまでになります。幻覚である彼らは、若い姿のままジョンの前に何度も現れますが、ジョンはどんどん年を取っていくのです。その対比がまた切なくもあります。