美しく残酷な世界
漫画原作派なのですが、とにかくクセのある絵・ストーリー。全ての登場人物が端役に至るまでキャラ立ちしまくっています。巨人もいちいち気持ち悪いし怖すぎます。こんなのに食われて死ぬなんて絶対嫌だと心底思います。でもつい、続きが気になってページをめくり、早く来月号出ないかなーと待つ日々を過ごしています(笑)
最大の魅力は伏線に次ぐ伏線、謎の嵐。ひとつのコマに描かれている情報が非常に多く、最初はなんとなく流して読み始めても、いつの間にか1ページ読むのにすごく時間をかけている自分に気づくことでしょう。
善と悪、敵と味方、嘘と真実、さらには過去と現在が絶えず入れ替わり、複雑に混ざり折り重なる独特の世界観がヒリヒリしたリアリティを感じさせます。
どの登場人物にもそれぞれの物語があり、命の重さを感じます。が、皆いきなり残酷なかたちでどんどん死んでいきます。こんなに大量に人が死ぬ漫画もなかなかないんじゃないでしょうか。雰囲気としては、風の谷のナウシカ原作の後半のダークで救いのない感じが似ていると思います。
とはいえ、ちょいちょい笑っていいのかわからないタイミングでギャグやらおふざけが入り、メインキャラの104期生と調査兵団のメンバーは、みんなクセがスゴいけどそれぞれにカッコよくていい奴らです(それだけに世界の残酷さがより際立つのですが)
決して読みやすくスカッとするような漫画ではありません。ただ、生々しく、いろいろと考えさせられる中毒性のある作品です。