曲の魅力を裏打ちする、アイドルとして、人としての魅力
「JO1って韓国人?」と尋ねられることは、減ったとはいえまだまだあるのが現状。そんな人にはひとこと「曲聴いて!」という。一曲でも聴けば日本のアイドルグループだと判るはずだからだ。音楽の専門的な知識は皆無だが、皆無なりに語りたい。おそらくK-POPの潮流を汲むのが、お洒落なサウンド、そしてラップ。しかし、歌詞はほとんどすべて、日本語。ラップもごりごりの日本語。何せデビュー曲は、「無限大」、これも日本語なのだ。「無限大」や1stアルバム表題曲の「Shine a light」、5thシングル表題曲の「僕らの季節」などに顕著だと思うが、J-popらしいサウンドとK-POPの「新しさ」を感じるサウンドが組み合わさり、そこにまっすぐでストレートな日本語歌詞、という「ハイブリッド」がJO1の楽曲の基本軸となっていると思う。メンバーのビジュアルもよくよくみれば、日本人が好みやすそうな、目鼻立ちが全体的に丸みをおびていて凛としたビジュアルの初代センター豆原一成、白岩瑠姫などがいる一方、KーPOPアイドルらしい、切れ長の目や涼しげな顔立ちが魅力の川尻連、金城碧海などのメンバーもいる。
曲の魅力、ビジュアル性、加えて、彼らの人間性も大きな武器だと感じている。オーディション番組で夢を掴んだ「元一般人」のメンバーたちは、良い意味で素朴で、飾り気がない。ライブでは、ズボンのチャックがはじけるほど一生懸命踊り、それを特に恥ずかしがらずにさらけだし、そんなメンバーを「ズボン履き替えておいで」と和やかに送り出すほかのメンバーたち。公式YouTubeチャンネルのキャンプ企画では、良く食べ良く遊び、部屋決めでは信じられないくらいの「男子高校ノリ」で騒ぐ。そしてなにより、アイドルができる環境に感謝し、常に謙虚で、調子にのったところが一切ない。過酷なオーディションを勝ち抜き、その中で、年齢的に自分のアイドルとしての「賞味期限」が迫っていることを危機的に感じているメンバーもいた。現実を冷静に捉え、真面目に夢を追い続ける彼らが歌うからこそ、バラードも、応援ソングも、決して「きれいごと」には聞こえず、胸をうつ力があるのだと私は思う。謙虚なメンバーの姿に触発されて、「JO1って韓国人?」と聞いても怒らず丁寧に教えてくれるようなファンも多い印象。ぜひ、1曲でいいから聞いてほしい。