ヴァイオレット・エヴァーガーデン / Violet Evergarden

『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』とは、2015年から刊行された暁佳奈原作の小説である。2018年に京都アニメーション制作でアニメ化、2019年・2020年に映画化された。原作小説は、京都アニメーション大賞初の大賞受賞作品である。
代筆業を生業とする「自動手記人形」である主人公が、依頼を通じて失った感情を取り戻しながら、大切な人から告げられた言葉の意味を探していく物語。
アニメ化・映画化の際はアニメオリジナルキャラクターやストーリーが多数採用されている。
2020年の劇場版は京都アニメーション放火殺人事件とコロナ禍の影響で2度の延期となるも無事公開され、興行収入は21億3000万円。
「京アニクオリティ」と称される程の映像美にファンも多く、英語・スペイン語・フランス語・ブラジルポルトガル語でも吹替翻訳されている。

Rei-Sho11185のレビュー・評価・感想

ヴァイオレット・エヴァーガーデン / Violet Evergarden
8

愛してる。その意味をあなたは答えられますか?

2018年1月〜4月にアニメで放送され、2019年9月にスピンオフ映画、更に2020年9月に映画が公開されている。
元軍人で幼い頃から戦場で"武器"同然として過ごしていた主人公のヴァイオレット・エヴァーガーデンが終戦後、軍人時代の知り合いから「自動手記人形」と呼ばれる手紙の代筆屋で働くことになる。彼女は、戦場で大切な人を失ってしまった過去がある。それは上司である、ギルベルト少佐。

死に際に彼が自身へ向けて"愛してる"と、最期に残した。

彼女はその意味が分からずに、彼を看取った。

このアニメは作品の序盤の方で物語の主題である、「愛してるの意味が知りたい」という主人公のヴァイオレットのある意味ゴールが決まっており、その感情、意味を知っていく過程を楽しむことに主機を置いている。

基本的に1話から2話で完結し、依頼主の元へ手紙の代筆の為に出張し、リクエストに応じて手紙を書いていく。ヴァイオレットの周りの人との関係の変化や彼女自身が人の感情に触れ、変化していくことはあるが、依頼主の元へ行き手紙を書くという流れは同じである。

「自動手記人形」自身が依頼主の思いを聞き、それを自分の感情として落とし込み手紙を書くことで感情がダイレクトに伝わってくるため、少なからず視聴している側の心も動かされる描写が多い。また人の感情、時代背景の設定とて主人公が元軍人で両腕共に義腕、戦争というワードで重い、痛々しいなと感じる描写が出てくるので苦手な人はいるかもしれない。
本腰を入れてストーリーを楽しみたい人向けの作品であると感じた。

ただ、涙脆い私は物語中盤以降は毎話のように涙で画面が見えなくなることが多々ありました。