中国史マンガの最高傑作
舞台は中国、時代は春秋戦国時代。下僕である主人公「信」があることがきっかけで、大国秦国の大将軍にまで登り詰めていくまでの武将としての成長を描いた物語であり、秦国が中華統一を果たすまでの道のりを描いた物語です。
キングダムの魅力の一つとして、史実に沿って物語が進行していく点があります。いくつかの分岐点や細かい部分での創作はありますが、それらが史実の大きな方向性を邪魔することなく、実に巧みにオリジナリティが織り交ぜられて全体が進行していくというストーリーの構成に引き込まれていきます。
そして最大の魅力は、ストーリー全体を色鮮やかに彩る強烈な個性が溢れ出す数々のキャラクターの登場です。例えば物語序盤以降で登場シーンがなくなってしまう一人の大将軍が、その後も根強く存在感を発揮し続けていくなど登場人物一人ひとりの個性を大事にした描写はキングダムの最大の魅力です。
ほかにも、戦場においては武将や軍の武力ばかりが目立ちがちですが、キングダムではそれに加えて軍略や戦術といった知略の戦いにフォーカスした描写が多く登場します。戦場以外のシーンにおいても内政や外交といったイベントにおいて文官の活躍が要のシーンでは細かに描かれているところも見どころです。