第579話 十二日目の朝
感動。この一言に尽きる。明日からまた頑張って生きていこうと思える話。諦めずに立ち向かおうと思わせてくれる話。何より、信の熱い演説で、飛信隊の心が一つになる瞬間が最高に熱い。
食料が尽きて体力もつきかけ、疲弊し切った兵士たちが、信の呼び声で覚醒して一つに。なんてことだよ。涙が止まらない。こんな辛い状況なのに。まだ戦えるのかよ、みんな。入り込みすぎて、時が経つのを忘れてしまう。感動と勇気とがごちゃごちゃに混ざったものが溢れてくる。
「お前たちと一緒に天下の大将軍まで突っ走るんだ!」。信のこの言葉で隊員の心が一つにつながる。このシーンには何度も勇気をもらった。人生の勝負所では、いつも思い出す。彼らは、僕に、立ち向かう勇気と気迫を分けてくれる。
今まで生きてきた人生において、こんなにも熱くなる場面に出会ったことはないし、今後も出会わないと思ってしまう。それほど、僕にとって完璧なシーンなのだ。頭から足先まで、熱く鋭いものが駆け抜けていくのだ。嘘偽りなく、全漫画の中で一番好きだ。命尽きかけながらも、戦い抜いてくれた飛信隊のみんなに感謝を伝えたい。また、こんな素晴らしいシーンを創り上げて下さった、原泰久先生にも感謝したい。