少女漫画の枠を超えて、世代性別問わず、支持される作品。
夏目友人帳は、霊力が高く、幼少期から妖怪が見える高校生の夏目貴志を中心に、友人達や妖怪との、心の交流を描いた作品です。
両親を早くに亡くした貴志は、各地の親戚の家をたらい回しにされ、孤立していました。妖怪が見えることが原因で、家でも学校でも居場所が無かったからです。彼の霊力は、母方の祖母である夏目レイ子から受け継いだ力で、レイ子もまた、周囲に気味悪がられていたので、似た境遇でした。
貴志は、親戚の藤原夫妻に引き取られ、そこで、レイ子の遺品を見つけました。夏目友人帳と書かれた手帳の中には、名前が書かれていました。それは、レイ子が妖怪と遊びの勝負をして、打ち負かした妖怪の名前でした。名を書かれた妖怪は、手帳の持ち主に支配されてしまいます。
人間が持つには非常に危険な物で、貴志は友人帳を奪おうとする妖怪から追われるようになり、ある日、封印を解いた妖怪、斑に助けられました。元の姿は大きな白狐のようですが、招き猫に閉じ込められているので、普段は招き猫のような姿をしています。斑は、レイ子と面識があるようで、彼女の孫である貴志を、他の妖怪から護る代わりに、貴志亡き後に、友人帳を頂くことを条件にして、貴志の用心棒になりました。
その日から、貴志は、斑という気の許せる存在を得たことで、少しずつ周囲と打ち解けることが出来るようになり、高校の友人ができて、妖怪とも友好的に話をするようになりました。彼を引き取った藤原夫妻には、子供がなく、貴志を本当の息子のように育ててくれようとしています。
人間同士の友情・妖怪同士の絆・人と妖怪の愛情など、温かさを感じることができるストーリーで、大人の心に響く作品になっているので、子供から高齢層まで、幅広い世代から支持される長寿連載の少女漫画です。