漫画の到達点
2019年、週刊少年ジャンプに突如として異端が現れた。その作品名は『チェンソーマン』。
ジャンプ漫画らしい分かりやすさと大人向けの芸術性を秘めた本作品は、次々と愛読者が増え歴史に残る傑作と呼ばれるまでになった。
まずストーリーだが、大筋はとてもシンプルでとっつきやすい。
悪魔が蔓延る世界で借金まみれの生活を送る主人公・デンジ。デンジは様々なトラブルに巻き込まれながら、持ち前の単純さと彼にしかない特別なパワーを使って窮地を乗り越えていく。おそらく漫画をある程度読んだことのある人ならば、すぐにストーリーを把握できるだろう。
しかし、ジャンプ漫画として異質な点が一つある。それは主人公がダーク寄りという点だ。ダークと言っても知的でクールな感じではない。デンジは超が付くほどのストレートなバカなのだ。
彼の行動する理由はいつも驚くほどシンプル。その清々しさは他の漫画主人公にはない魅力と言えるだろう。
もう一つチェンソーマンを語るうえで外せないのが「表現力」だ。
コマ割り、絵の魅せ方、静止画とは思えない画力…。そう全てがハイレベルでまとまっているのである。
漫画という表現方法の到達点と言ってもいい作品だ。普段漫画を読まない方にもぜひオススメしたい。