GRAPEVINE / グレイプバイン

GRAPEVINE / グレイプバイン

GRAPEVINE(グレイプバイン)は1993年に結成され、4年後の1997年に「覚醒」でメジャーデビューを果たした日本のロックバンド。メンバー脱退などを経て、2014年にはレコード会社移籍をし、バンドライフの大きな転機を迎えた。骨太なグルーヴと文学的な歌詞の世界を持ち味とし、アルバムごと、ともすれば一曲ごとに全く違った作風を見せる幅の広さも大きな魅力となっている。

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GRAPEVINE / グレイプバイン
9

熟れた甘い匂いのする果実、ロックバンド・GRAPEVINEについて

GRAPEVINEというロックバンドをご存知でしょうか。ハマっている人は他のアーティストを聴くこともなくひたすら聴き続けることもあるとかないとか、中毒性の高いバンドです。以下にバンドを解説していきます。
バンドは1993年結成、1997年に4人組バンドとしてメジャーデビュー。同時期のデビューにDragon Ash、TRICERATOPSなどがいます。1999年にシングルが立て続けにスマッシュヒット。アルバムもオリコンランキング3位を記録します。2002年に結成からのオリジナルメンバー、ベーシストが病気の為に脱退しますが、それ以降も残った3人にサポートメンバーを加えて地道に活動を続けています。メンバーはギター&ボーカルの田中和将、リードギターの西川弘剛、ドラムの亀井亨の3名です。
初期は古風な70年代洋楽ロックを下敷きにした、老成しているとも評された、良く言えば完成されている、悪く言えばフレッシュさの無い雰囲気をまとっていました。音もどちらかというとジメっとした湿り気のある楽曲が多かったように思います。その後ベーシストの離脱を期に打ち込みも導入、作風も自由になり、先述の湿り気のあった音づくりもカラッとしたものに変わっていきました。イメージとしては英国風から米国風に変わった感じです。大きな変化も無い代わりにアルバム1枚経るごとに少しずつマイナーチェンジしていきました。
作詞はボーカルの田中氏が担いますが、作曲はメンバー全員ができるという珍しいバンドです。そのため各メンバーへの愛着も生まれます。加えて、バンドとサポートメンバーを含めた全員でセッションでも曲作りを行っているため、アルバムはバラエティに富んでいます。それらのさまざまな楽曲に統一感を与えているのが田中氏のボーカルであり、ものごとを達観したかのような歌詞です。彼のボーカルも初期から追っていくとどんどん上手くなっていることが良くわかります。
以上、GRAPEVINEというバンドの紹介でした。長年続いているバンドのため、演奏も歌も年々円熟味を増し、さながら熟した果実のようにプーンと匂ってくるようです。その香りを楽しみましょう。