おもろいかおもろくないか、天然か計算か。
前半は放課後の男子高校生二人が河原でしゃべるマンガです。
普段から人と接することを厭い、河原で一人で過ごす内海の隣にいきなり現れるのがサッカー部をやめた瀬戸。
開口一番「俺って虫嫌いやん?」
内海ならずとも「そんなん知らんし」と答えることと思います。
そんな瀬戸の悩みをいともあっさり、天才的に解決する内海。
そこから二人の河原で過ごす青春が始まります。
とにかく二人のしゃべりが面白い!
関西弁だからテンポがよく感じるのもあるかとも思いますが、普通に標準語でも成立すると思います。
個人的に大好きなのは生物の先生に瀬戸がつかまる話です。
何度読んでも「ふふっ」ってなります。
基本的には瀬戸がボケ(天然)、内海がツッコミで話は進みますが、たまにその内海の賢さが裏目に出て自滅する回もあります。
よく瀬戸が内海に「お前は自分が頭がいいから周りがみんなアホに見えて見下してるんだろ」と言いますが、
瀬戸はアホだから見下しているわけではなく、おもろくないから見下してるんだと思います。
おもろいは正義、おもろくないは罪、そんな価値観が内海にはあるのでしょう。
最後の最後で内海は瀬戸に救われるのですが、頭の良くない、計算のない、屈託のない瀬戸の笑いにふっと笑ってしまう。
それが内海が瀬戸のことを「スーパースター」と呼ぶ理由ではないでしょうか。
ただ最後のシリアス進行が結構急で、もう少しわかりやすい伏線を張ってほしかったなというのと
車いすの少女をもう一回ぐらい出してあげたらよかったのにというのがマイナス要素でしょうか。
しかし絶対に読んだら「ふふっ」って笑えますよ。