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衝撃を受ける作品
私が最初にこの作品を観た時に、心にとても強い衝撃を受けました。
実際にあった、巣鴨子ども置き去り事件を題材とした作品であることを知らず、柳楽優弥さんの幼い姿が写るパッケージに惹かれて借りて観たこともあり、内容を知った時には観ることを躊躇ってしまう程でした。
実際に作品を観て、無邪気な子どもたちに無邪気なままでいさせてあげたいと思いました。
母親が、別れた旦那の元へ子どもにお金を貰いに行かせる場面には、胸が張り裂けそうになりました。子どもたち自体、四人とも父親が違うのかと思うと余りにも複雑な環境下で育ったのだなと思いました。母親と突然連絡が取れなくなった後、四人が必死に生活をする中、柳楽さん演じる長男である明が母親を探したり、理不尽で辛い状況でも兄弟たちと一緒に暮らそうとする姿に自然と涙が出てきました。作中に登場する、コンビニ店員の宮嶋さなえと店長である広山潤の優しさが救いだと思いました。きっとこの人たちのように、四人の兄弟たちに手を差し伸べてくれる人たちがいたら、四人の中で犠牲を出すこともなかったのではないかと思いました。
ラストは、兄弟たちが変わらない様子でアパートへと帰っていく姿が映りますが、その子たちは果たして幸せなのか疑問ばかりが残りました。